税理士さっさんのブログ

税に関する豆知識や旬の税金ネタについて専門家の観点から自由に述べます。

ふるさと納税

こんにちは。

税理士のさっさんです。

 

今日は「ふるさと納税」について書きます。

この制度、もうかなり浸透していますよね。

浸透しすぎて返礼品が高すぎるってことで制限がかかりましたね。

この制度では、ふるさと納税をする方の所得に応じて「自己負担額が2,000円ですむ上限額」が決まります。

色々なサイトでシミュレーションができる機能がありますよね。

そのシミュレーションで大体の金額は把握できると思いますが、「ギリギリまでふるさと納税したい!」という方のために計算構造を示します。

 ちなみに、この「ふるさと納税」は所得税法上は「寄付金」扱いになります。

(1)所得税からの控除・・・(寄付金額-2,000円)✕所得税率✕1.021

  ※ 上限は総所得金額の40%

  ※ 「1.021」は復興所得税

(2)①住民税からの控除(基本)・・・(寄付金額-2,000円)✕10%

  ※ 上限は総所得金額の30%

   ②住民税からの控除(特例)

   ・・・(寄付金額-2,000円)✕(90%-所得税率✕1.021)

  ※ 上限は住民税所得割の20%

それぞれに上限額が設けられています。

これを一本算式にすると・・・

個人住民税所得割額✕20%÷(90%-所得税の税率✕1.021)+2,000円

 

では、具体的な金額を用いて計算してみます。

~前提条件~

① 総所得金額   243万円(確定申告書の所得金額合計金額、サラリーマンの方  

          は、源泉徴収票の「給与所得控除後の金額)

② 課税総所得金額 210万円(確定申告書の「課税される所得金額」、サラリーマ   

          ンの方は、源泉徴収票の「給与所得控除後の金額-所得控除の額  

          の合計額」

③ 住民税所得割  207,500円(市役所から送付される課税明細書に記載され 

          ています。サラリーマンの方は6月ごろ勤務先から給与明細と共

          に交付されます。)

 

~計  算~

上限額:207,500円✕20%÷(90%-10%✕1.021)+2,000円

    =54,011円

検 算:①(54,011-2,000)✕10%✕1.021=5,310

     243万円✕40%=972,000

     5,310<972,000  →5,310

    ②(54,011-2,000)✕10%=5,201

     243万円✕30%=729,000

     5,201<729,000  →5,201

    ③(54,011-2,000)✕90%-10%✕1.021)

     =41,499

     207,500✕20%=41,500

     41,499<41,500  →41,499

    ④ 5,310+5,201+41,499+2,000=54,010

    1円ずれました笑

 

これから駆け込みでふるさと納税を行う方も多いと思います。

1つ注意点。

上記の所得金額や、住民税所得割は、「今年の金額を予測して」シミュレーションをしなければなりません。

昨年と比べて、働き方や家族構成その他何らかの変動があった方(例えば転職して収入が激増・激減した、扶養親族が増えた、マイホームを買った・・・)は十分にご注意ください。