税理士さっさんのブログ

税に関する豆知識や旬の税金ネタについて専門家の観点から自由に述べます。

海外不動産節税の終焉?

こんにちは。

税理士のさっさんです。

 

10月3日に開業して2か月半が過ぎました。

開業祝いにいただいた胡蝶蘭、まだ咲いているんですよね。

贈ってくださった方々、ありがとうございます!

2度咲きにも挑戦してみます。

 

さて、今日は「海外不動産節税の終焉?」について書きます。

先日、「アパート経営で節税? 所得税編」というタイトルで記事を書きました。

その内容と遠からず・・・って内容なんですけどね。

 

節税のスキームは前回紹介した内容と同じなんです。

それが「海外の不動産」だとダメよ!ってなったんです。

12月12日に「税制改正大綱」ってのが出たんですよ。そこで。

なぜ、海外不動産だけダメになったんでしょうか?

実は数年前から富裕層の間でこの「海外不動産による節税」ってのが広まっていたんですね。

 

海外の不動産の特徴として

① 建物の価値が下がりにくい。

② 土地:建物の割合は圧倒的に建物が高い

ってことがあるんです。

建物は、「減価償却費」って費用で落とせますよね?

で、その「減価償却費」はその建物の法定耐用年数によって償却率が異なるんですけどね。「中古の建物」だったら、その法定耐用年数からさらに経過年数を差し引くことができるんです。

例えば、1985年1月に建てた、法定耐用年数30年の建物があるとしますよね?

この場合の耐用年数を「簡便法」って方法で計算すると・・・

① 1985年~2019年 → 34年経過していますね?

② この場合の「簡便法」の算式は・・・法定耐用年数✕20%になります。

 →30年✕20%=6年ですね。

  償却率は0.167です。

 

たった6年で建物の取得価額が「減価償却費」で落とせちゃうんです。

しかも、建物の価値は下がりにくいから、いざ売ってもそんなに損しない。

さらに売った時は「譲渡所得」って所得になって、富裕層なら通常の税率(所得税最高税率は45%です。)より低い税率で済むんです。(譲渡所得の税率は20%なので。)

 

日本国内の不動産だとここまで極端なことにならないから「海外」に限定されたんでしょうね。

これは「会計検査院」ってところが以前から「問題だ!」って言ってたことなんです。

やっと改正になりました。

今回の改正で、不動産所得を計算してマイナスが生じた場合はそのマイナスはなかったものとみなされることになったんです。

他の所得と通算ができなくなりました。

 

ただですねえ・・・

今回の改正は「個人所有の海外不動産」だけなんですよ。。。

きっと法人所有に移行しますよね。。。

だから「?」付けてみました笑